中小企業診断士の収入計画 案件単価・準備時間・継続支援を見積もる

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中小企業診断士として収入を作るには、案件の単価だけでなく、提案・調査・報告・修正にかかる時間を見積もります。年間2,000万円などの目標を掲げる場合も、売上、事業の所得、給与を含む収入を混同しないことが出発点です。独立や副業を検討する方向けに、案件を組み合わせた収支計画の作り方を紹介します。

源五郎丸
源五郎丸

30万円の案件をたくさん取れば、収入は増やせるんだろう?

太郎
太郎

受注前の提案や準備にも時間がかかります。納品まで何時間使い、経費を引いていくら残るかも見てみましょう。

給与と事業の売上、所得を分ける

会社員の給与収入、外部支援の売上、必要経費を引いた事業の差引額は、それぞれ違う数字です。副業の売上をそのまま給与へ足して年収と呼ぶと、使えるお金を多く見積もってしまいます。税務上の所得区分や申告も、実態に応じて確認します。

平均年収を見る場合は、調査対象と集計方法を確かめます。開業者の売上と勤務者の給与が混ざった数字から、独立後の生活費を決めることはできません。この記事では、資格取得後の年数と収入の到達を結び付けず、自分の受任条件で計画を作ります。

支援を、成果物と期間で分ける

仕事の例見積もる作業範囲を決める点
単発の診断・計画支援面談、調査、分析、報告、修正対象拠点、資料、報告書、修正回数
研修・講演企画、教材、打合せ、登壇、事後対応対象者、時間、教材の利用範囲
継続支援月次面談、数字の確認、実行支援訪問回数、連絡、調査を含むか
公的機関の専門家支援応募、選考、訪問、報告募集条件、登録・選考、報酬と支払時期

同じ事業計画の支援でも、ゼロからの調査と、既存案の確認では工数が異なります。何を受け取れば作業を始められるか、資料が不足したときにどうするかを見積書に示してください。顧客の説明をそのまま採用するだけでなく、根拠となる資料へ戻る工程も必要です。

補助金の支援なら、対象制度、支援者に認められる範囲、申請主体、報酬条件を確認します。採択や交付を保証せず、制度の公募要領を基準にします。診断士資格だけで税務申告や許認可等の業務を広く代行できるわけでもありません。

架空例で、三つの仕事を組み合わせる

次の数字は説明用の架空例で、相場・推奨料金・受注できる件数ではありません。金額は便宜上税抜でそろえ、税金、本人の社会保険、青色申告特別控除等の前です。実際に契約している仕事と、見込み段階の仕事は別に管理してください。

項目計算年間売上
単発支援30万円×6件180万円
研修10万円×6回60万円
継続支援月5万円×2社×12か月120万円
売上合計上記の合計360万円
必要経費の仮定交通、会費、外注、ソフト等60万円
経費差引後360万円-60万円300万円

経費差引後300万円は、手取り300万円という意味ではありません。税金や社会保険の支払、借入返済などは別に確認します。また、継続支援が一年続き、単発支援が予定どおり納品できるという前提があります。

開業初年度は、契約がない月や入金が遅れる月を入れて作り直します。研修を一本受注しても、教材を初めて作る場合は準備が長くなることがあります。二回目以降も内容の更新や対象者に応じた修正が必要なので、すべて使い回せるとは考えません。

請求できない時間まで数える

架空の単発支援30万円の一件について、聞き取り4時間、分析10時間、報告書8時間、会議2時間、修正4時間なら計28時間です。さらに受注前の営業、提案、移動、請求の時間がかかります。納品する日数だけで単価を割らず、案件を得て終えるまでを測ります。

研修の一回も、登壇2時間だけではありません。教材準備10時間、登壇2時間、事後対応2時間なら14時間です。年間計画では、こうした直接作業に加え、研修受講や事務管理などの共通時間を確保してください。空いている日をすべて受注できる日として埋めないことが大切です。

記録する時間次の見積への使い方
提案・見積受注にならない相談も含め営業負担を見る
分析・報告・修正想定より増えた工程と理由を確認
移動・打合せ訪問とオンラインで条件を分ける
事務・学習契約外の仕事と専門性の維持を計画へ入れる

継続支援は、実行と確認の仕組みを提案する

単発の報告から継続支援へ進むなら、何を毎月確認するかを明確にします。例えば販売改善であれば、施策の実施状況、問い合わせ、商談、成約等を分け、どの数字を誰が集めるかを決めます。売上増だけを自分の支援の成果として断定しません。

顧客側の担当者や意思決定の頻度に合わせ、面談の回数、資料の締切、追加調査の扱いを契約に落とします。毎月訪問すれば価値になるわけではありません。実行できなかった施策があれば、理由を聞いて次の計画を調整するところまでを支援の範囲として考えます。

独立前に、登録・勤務先・個人開業の手続を確認する

診断士の登録や更新の要件と、個人事業の税務書類は別です。会社員の副業なら勤務先の規程、競業、情報の持ち出し、平日の面談時間を確認します。公的機関の専門家業務も募集や選考があり、資格を持っているだけで案件が保証されるものではありません。

出典・確認先:中小企業庁・中小企業診断士の登録等。

個人として独立する時期が決まったら、開業届や青色申告の申請など、税務上必要な書類と期限を調べます。マネーフォワード クラウド開業届は、その書類準備の候補です。診断士の登録申請、実務日数の証明、法人設立をするサービスではありません。

見積・契約・請求・回収をつなげる

一件の管理表に、提案日、契約、着手、資料の受領、報告、検収、請求、入金を並べます。売上の予定があっても、検収が翌月なら入金が遅れることがあります。着手金や分割払いを利用する場合は、相手と条件を合意し、契約に反映してください。

受注が増える前には、同時に進められる件数を確認します。守秘義務のある資料を外注やAIへ渡す前に契約と社内ルールを確認し、顧客の情報を許可なく別の提案へ転用しないようにします。情報管理の手間も業務量に含めましょう。

受注が集中する月は、納期と確認の余裕を置く

報告書の締切と研修の登壇が重なる月は、準備時間を前へ移せるかを確認します。外注するなら、顧客の契約条件、共有できる資料、成果物の確認者を先に決めます。外注費を引けば利益が減る一方、受任できる量が増える場合もあるため、費用と工数の両方で比較してください。

一件に追加調査が発生したときは、元の範囲内か、追加見積が必要かを顧客と確認します。終わってから想定外だったと振り返るだけでなく、途中で相談する時点を決めておくと、品質と納期を保ちやすくなります。

一件の実績から、次の計画を修正する

月末は、売上、入金、経費、作業時間、次の契約見込みを別々に確認します。赤字や工数超過が分かったら、単に件数を増やすのでなく、対象範囲、資料の条件、修正回数、単価のどこを見直すかを考えます。

最初の一件は収入額だけで評価せず、提案から回収まで無理なく進められたかを振り返ってください。継続できる支援の形が見えると、年間の目標も必要な案件数と時間へ置き換えやすくなります。

確認日:2026年10月31日。制度やサービスは利用時の公式案内と、自分に適用される条件も確認してください。

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