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医療法人の監査を確認するときは、監事の監査と、公認会計士・監査法人による外部監査を分けます。小規模な医療法人でも監事の監査が必要である一方、外部監査には法人の種類や金額等の基準があります。まず自法人の区分と最終会計年度の資料をそろえ、適用を確認しましょう。

小さなクリニックの法人なら、監査は何も要らないのか?

外部監査の対象外でも、監事の監査まで不要になるわけではありません。二つの役割を分けて確認してくださいね。
最初に、誰が何を確認する監査かを分ける
| 区分 | 主な担当 | 見る対象・目的 |
|---|---|---|
| 監事の監査 | 医療法人の監事 | 業務・財産の状況や事業報告書等を、医療法等に基づいて監査 |
| 法定の外部監査 | 公認会計士または監査法人 | 所定の基準に該当する法人の貸借対照表・損益計算書等 |
| 任意の点検・監査 | 契約で定める専門家 | 目的・対象・手続・報告を契約で決める |
| 税務申告 | 税理士等 | 税額の計算と申告。会計監査とは別の業務 |
外部監査は、財務情報の適正性について専門家の意見等を得るための仕組みです。すべての不正や誤りを必ず発見する保証ではありません。税理士が申告をしている、銀行へ決算書を出した、といった事実だけで外部監査の義務を満たしたことにもなりません。
外部監査の金額基準を確認する
厚生労働省の通知は、次のように基準を示しています。両方の金額を超える必要はなく「又は」で判定します。「以上」なので、ちょうど基準額の場合も含めます。用いる金額は法人全体の最終会計年度の貸借対照表・損益計算書に照合してください。
| 法人の区分 | 負債額 | 事業収益額 | ほかの対象 |
|---|---|---|---|
| 社会医療法人以外の医療法人 | 50億円以上 | 70億円以上 | 負債又は事業収益のどちらか |
| 社会医療法人 | 20億円以上 | 10億円以上 | 社会医療法人債を発行する場合も対象 |
職員数1,000人、負債200億円、医業収益100億円という数値を、この法定外部監査の基準として使う説明は適切ではありません。事業収益は医業収益だけと同じとは限らないため、病院一施設の売上や月次資料だけで判断しないようにします。法人の種類と会計年度も重要です。
出典・確認先:厚生労働省・医療法人の計算に関する事項(2026年11月2日確認)。
三つの架空例で「又は」を確かめる
| 架空の状況 | 基準の確認 |
|---|---|
| 一般の医療法人:負債48億円、事業収益72億円 | 負債が50億円未満でも、事業収益が70億円以上 |
| 社会医療法人:負債21億円、事業収益8億円 | 事業収益が10億円未満でも、負債が20億円以上 |
| 社会医療法人:負債5億円、事業収益7億円、社会医療法人債あり | 金額基準未満でも法人債の発行により対象となる |
この例は基準の読み方の説明です。実際には最終会計年度の定義、用いる決算書、対象年度の運用、法人固有の事情を所管都道府県へ確認します。地域医療連携推進法人等は別の確認が必要で、一般の医療法人と同じ金額表だけで結論を出さないでください。
対象年度と、年度末までの準備を確認する
外部監査は決算後に資料をまとめて渡せば終わる業務ではありません。期中の業務や内部統制の把握、期末の棚卸等、事前の手続きが必要になる場合があります。基準に近づいた段階で、今後どの年度から対象になるかを確認し、受嘱可能な監査人と日程を相談します。
見積依頼では、法人の種類、施設・拠点、会計年度、負債・収益、会計基準、経理体制、システム、連絡窓口、希望する報告日を伝えます。監査の対象と、決算書作成支援・税務・経営相談を混ぜず、独立性に関する制約も踏まえて業務範囲を確認しましょう。
経理で準備する資料を担当者へ割り振る
- 前期・当期の計算書類、総勘定元帳、残高試算表と科目別明細。
- 診療報酬債権等の請求・査定・返戻・入金の照合資料。
- 現預金、借入金、契約、固定資産、棚卸資産の記録。
- 給与・退職給付等の算定資料と、関連当事者・関係事業者の情報。
- 理事会等の議事録、重要契約、補助金の決定通知、会計方針・規程。
架空例として、診療報酬債権の残高が入金予定一覧と違うときは、請求月、診療月、査定・返戻、入金時の控除をたどります。差額だけを雑損失へまとめず、原因と修正の要否を調べ、監査人に未解決項目として共有します。監査用の説明と実際の帳簿が別々にならないようにしてください。
監査準備の一覧表を、担当者が更新できるようにする
資料一覧や残高照合表をExcelで管理する際に、集計・参照・進捗表示の操作を学びたい場合は、ココナラのExcel操作相談も選択肢です。架空の法人名と数字で質問を準備し、対応環境、回答の範囲、料金を確認して依頼します。ここで紹介するのは資料整理のための操作相談です。法定監査の受嘱や監査意見の表明を依頼する案内ではないため、監査人の選任・契約は本文の手順に沿って進めてください。
監事の監査と、理事会等の手続きも予定表へ入れる
医療法は、事業報告書等について監事の監査を受けることや、監査を受けた書類の理事会承認等を定めています。外部監査がある場合も、監事や理事会等の役割が消えるわけではありません。定款・寄附行為と法令、所管都道府県の提出案内を照合して、書類ごとの期限と承認を並べます。
出典・確認先:厚生労働省・医療法(2026年11月2日確認)。
事業報告書等と、経営情報の報告を取り違えない
都道府県へ提出する事業報告書等と、経営情報等の報告は別の手続きです。厚生労働省は、経営情報等については外部監査対象法人とそれ以外で報告期限が異なることも案内しています。「外部監査だから全部4か月以内」と一括りにせず、対象資料・提出先・期限をそれぞれ確認します。
出典・確認先:厚生労働省・医療法人の経営情報等の報告(2026年11月2日確認)。
まず作る、監査要否の確認メモ
法人名と区分、決算日、参照した最終会計年度、負債額、事業収益額、法人債の有無、照会先と回答日を一枚にまとめます。次に、監事・監査人・経理・理事会等の担当と期限を記録します。法定基準に該当しない場合も、債権管理や現金・支払承認など、日常の管理課題は別に改善しましょう。
初めて対象になる前に、年間の予定を逆算する
架空の3月決算法人の準備では、まず期中に法人区分と参照すべき年度の数値を確認し、対象年度について所管都道府県へ照会します。次に、監査人の候補へ法人の概要と希望する報告時期を共有し、受嘱の可否、独立性、手続きに必要な時期を打ち合わせます。3月末になってから依頼すれば間に合う、と予定しないことが大切です。
期末前には、棚卸や残高確認等に関して監査人から必要な手続きを聞き、各施設の担当へ日程を伝えます。決算後は、科目別明細と計算書類の対応表、未解決の差額、重要な見積りの根拠を用意します。監査で修正が生じた場合は、最終の決算書と提出書類に同じ修正が反映されたかを確認します。
監事、外部監査人、税理士、経理担当の間で、同じ資料を何度も取り直すことがあります。資料名、対象年度、作成日、版、担当者、保存先を一覧にし、差替えたときに旧版と最終版が混ざらないようにします。ただし、監査人が必要とする手続きの範囲は契約や状況で変わるため、一般的な資料リストだけを完成条件にしないでください。
金額基準を下回った年度も、単年度の数字だけで手続きを止めない
法人の規模が変わった場合は、いつの会計年度を参照し、いつの書類・監査に影響するのかを再確認します。事業譲渡、施設の新設、法人区分の変更等があれば、その内容も照会先と監査人へ伝えます。担当者が前年のチェック欄を複写するだけでは、変更を見落とします。照会した回答と根拠資料を保存し、毎年度の確認を引き継げる形にしましょう。
監査報告書を受け取ったら、対象の法人・年度、監査意見と記載事項を確認し、決算資料の最終版と一緒に保管します。翌年度に改善すべき事項は、担当者と期限を決めて引き継ぎます。
相談先を比較する際は、今回聞きたいことと、料金に含まれる範囲を一つずつ確認しましょう。


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