PR このページには広告を掲載しています。
財産7,000万円という数字だけで、暦年課税と相続時精算課税の有利不利は決まりません。相続人の人数、既に行った贈与、渡す財産の値動き、贈与者の生活資金によって結果が変わります。まず相続時の出発点を計算し、贈与した年と将来の相続をつなげて比較しましょう。

7,000万円あるなら、先に2,500万円を渡すのが得なんじゃないか?

贈与時の税金がゼロでも、相続時に加算する部分があります。まず家族構成をそろえて計算しましょう。
最初に7,000万円の意味をそろえる
ここでは、財産7,000万円を相続税評価による正味の金額と仮定します。不動産の売却予想額や預金残高だけの合計ではありません。借入金、葬式費用、非課税財産や加算対象の贈与などをどう扱うかで、比較の元になる数字が変わります。
| 仮の家族構成 | 基礎控除 | 7,000万円から控除した課税遺産総額 |
|---|---|---|
| 配偶者と子2人 | 3,000万円+600万円×3人=4,800万円 | 2,200万円 |
| 子2人のみ | 3,000万円+600万円×2人=4,200万円 | 2,800万円 |
| 配偶者のみ | 3,000万円+600万円×1人=3,600万円 | 3,400万円 |
右端は税額ではありません。相続税は、課税遺産総額をいったん法定相続分で分けたものとして総額を計算し、実際の取得割合などで配分して各人の税額控除を反映します。配偶者の税額軽減も別の段階で確認するため、「基礎控除を超えた分に一つの税率を掛ける」だけでは終わりません。
出典・確認先:国税庁・相続税がかかる場合(2026年11月3日確認)。
出典・確認先:国税庁・相続税の計算(2026年11月3日確認)。
暦年課税と精算課税を比べる
| 比較点 | 暦年課税 | 相続時精算課税 |
|---|---|---|
| 計算単位 | その年の受贈財産を受取人ごとに集計 | 選択した贈与者に係る制度で計算 |
| 年110万円 | 暦年課税の贈与を合計した基礎控除 | 2024年以後は精算課税の贈与を合計した基礎控除 |
| 2,500万円の控除 | この特別控除はない | 贈与者ごとの累計枠。残額を翌年以後へ繰越し |
| 相続での加算 | 対象者・期間に応じて加算 | 原則として年110万円を除いた贈与時価額を加算 |
| 選択の戻し | 条件を満たせば精算課税を選べる | 同じ贈与者について暦年課税へ戻せない |
精算課税を選ぶと年110万円が使えない、という説明は2024年以後の贈与には当てはまりません。また、精算課税を選べる子は一人だけという制度でもありません。贈与者ごとに選択し、各受贈者が自分の適用条件を確認します。複数の贈与者から精算課税で受ける場合、年110万円は贈与者の人数分増えるわけではなく、贈与額に応じて按分します。
出典・確認先:国税庁・相続時精算課税の選択(2026年11月3日確認)。
1,000万円と3,000万円を贈与する架空例
2026年に父から成人の子へ現金を贈与し、精算課税の条件を満たすとします。父について2,500万円の特別控除は未使用、同年の他の贈与はなく、届出と期限内申告を行う前提です。
| 贈与額 | 贈与時の計算 | 原則として将来加算する額 |
|---|---|---|
| 1,000万円 | 1,000−110=890万円を特別控除。贈与税0円 | 890万円 |
| 3,000万円 | (3,000−110−2,500)万円×20%=78万円 | 2,890万円 |
1,000万円の例で父の財産が7,000万円から6,000万円へ減り、そのまま相続になったと仮定すると、6,000万円に890万円を加えて6,890万円を計算の出発点にします。「7,000万円から1,000万円を除いたまま」ではありません。資産の値動き、消費や別の贈与を省略した説明用の例です。
3,000万円の例で納めた贈与税78万円は、相続時の計算で控除する仕組みがあります。控除しきれない場合は相続税の申告による還付の対象になります。贈与時と相続時の税金を二重に単純合計せず、最終的な精算まで並べます。
出典・確認先:国税庁・贈与税の計算(相続時精算課税)(2026年11月3日確認)。
暦年の年110万円も持ち戻しを確認する
相続などで財産を取得した人については、暦年課税による一定期間の贈与を相続税へ加算する場合があります。年110万円以下で贈与税がなかった贈与も、対象期間内なら原則加算する点に注意します。2026年中に相続が始まる場合は原則として死亡前3年以内であり、直ちに全件7年になるわけではありません。
対象期間は段階的に延びます。2027年から2030年の相続では原則2024年1月1日から死亡日まで、2031年以後は死亡前7年以内となります。延長部分には合計100万円を加算しない扱いがありますが、毎年100万円の枠ではありません。
出典・確認先:国税庁・贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)(2026年11月3日確認)。

少しずつ渡しても、相続の計算に戻る場合があるのか。

そうなんです。贈与の日付と、誰が相続で財産を受け取るかも記録しておきましょう。
税金以外に比べたいこと
- 贈与者自身の住居費・医療費・介護費・予備資金を残せるか
- 財産を受け取る側に今まとまった資金が必要か
- 現金と違い、不動産や株式では贈与時の評価・名義変更の費用がかかるか
- 制度選択、贈与契約、振込、翌年の申告まで管理できるか
扶養義務者から通常必要な生活費・教育費を、その都度直接使うために受け取る場合の非課税と、将来の貯蓄や投資のためにまとめて渡す贈与は区別します。「生活費という名目」だけで預金や株式購入に使うお金まで自動で非課税にはなりません。
出典・確認先:国税庁・贈与税がかからない場合(2026年11月3日確認)。
制度選択前に比較を確認したい場合は、ココナラで相続・贈与に対応する税理士の有料相談を探せます。財産7,000万円という合計だけでなく、家族構成と贈与済みの金額を伝え、試算の前提と相談範囲を購入前に確認してください。特定の節税額が保証されるものではありません。
相談には年別の比較表を持っていく
| そろえるもの | 記録する内容 |
|---|---|
| 家族図 | 配偶者・子・孫、法定相続人の想定 |
| 財産一覧 | 種類、相続税評価の概算、借入金、使途 |
| 贈与履歴 | 年・贈与者・受贈者・制度・金額と申告控え |
| 今後の案 | 一括で渡す案と年ごとに渡す案、生活資金の残額 |
相談時には、贈与をしない案も比較に入れます。将来の死亡年や資産価格が変わると結論が変わるため、少なくとも複数の前提で税額と資金残高を確かめましょう。最初の行動は、7,000万円の内訳と家族構成、過去の贈与を一枚に書き出すことです。制度全体は相続税・贈与税・相続時精算課税の図解も参考にしてください。
値動きする財産を渡すときの比較欄
不動産や株式を贈与する場合は、現在の評価額だけでなく、将来上がる案・下がる案を並べます。精算課税では原則として贈与時の価額を相続時に加えるので、値下がりした資産について死亡時の低い価額に自動で置き換わるわけではありません。現金を贈与する例と同じ結論にしないでください。
同時に、贈与後の賃料や配当、管理費、名義変更費用の負担者を整理します。税金だけでなく、収入の帰属が変わることや、贈与者が資金を必要としても簡単には取り戻せないことが生活に関わります。将来価格を一つに決め打ちするより、どの変化で不利になるかを把握する比較にしましょう。
初めて精算課税を選ぶ場合は、年110万円以下でも選択届出が必要です。特別控除を使う贈与では期限内申告の要件も確認します。税額ゼロの試算ができた段階を完了とせず、必要な届出・添付書類・提出担当まで比較表に書き込んでください。
依頼前には、今回確認したいことと、料金に含まれる作業を整理して比較しましょう。


コメント