「固定資産税って、安くする方法はないの?」という疑問に、公認会計士・税理士の視点でお答えします。この記事では、固定資産税を軽くする減額・減免の主な方法と、その手続きを、申請を忘れると損するポイントとあわせて解説します。
※ 減免の要件・割合・申請期限は自治体の条例で細部が異なります。最終的な適用可否は、お住まいの市区町村(資産税課)でご確認ください。
①なぜ固定資産税の減免を知るべきか?
固定資産税は、土地・家屋・償却資産を持っているだけで毎年かかる税金です。金額が大きく、しかも自動で安くなるものと、自分で申請しないと安くならないものがあります。
特に、耐震・省エネのリフォームや災害による減免は申請しないと受けられません。知らずに満額払い続けている人は少なくないのです。

固定資産税って、決まった額を払うしかないと思ってたぞ。

いえ、条件に当てはまれば安くできる制度がいくつもあるんですよ!
②基本概念:「軽減」と「減免」の違い
固定資産税は、土地・家屋などの評価額(課税標準)に原則1.4%の税率をかけて計算します。これを安くする方法は、大きく2種類あります。
| 区分 | 内容 | 手続き |
|---|---|---|
| 軽減(特例) | 住宅用地・新築住宅など、法律で決まった割合で安くなる | 原則自動、または簡単な申告 |
| 減免 | 災害・生活困窮など、事情に応じて自治体が税を減らす/免除 | 申請が必要 |
また、そもそも評価額が一定額未満なら課税されない「免税点」もあります(同一市町村内で、土地は課税標準30万円、家屋は20万円、償却資産は150万円未満)。
③住宅用地の特例(最大6分の1)
もっとも効果が大きいのが住宅用地の特例です。人が住むための土地は、課税標準が大幅に下がります。
| 区分 | 対象 | 固定資産税の課税標準 |
|---|---|---|
| 小規模住宅用地 | 200㎡以下の部分 | 6分の1 |
| 一般住宅用地 | 200㎡を超える部分 | 3分の1 |
注意したいのは、家を取り壊して更地にすると、この特例が外れて土地の税金が一気に上がる点です。空き家の解体を検討する際は、税金への影響もあわせて考えましょう。

更地にしたほうがスッキリすると思ってたけど、税金は上がるのか…

そうなんです。建物があるだけで土地の税金が抑えられているケースは多いですよ!
④新築住宅・リフォームの減額
新築住宅の減額
一定の要件を満たす新築住宅は、家屋の固定資産税が一定期間2分の1に減額されます(床面積など要件あり)。
- 一般の新築住宅:新築後3年間(3階建て以上の耐火・準耐火建築物は5年間)
- 認定長期優良住宅:上記の期間がさらに延長される
リフォームによる減額
次のような改修工事を行うと、翌年度分の家屋の固定資産税が減額されます(いずれも工事後の申告が必要)。
- 耐震改修:現行の耐震基準に適合させる工事
- バリアフリー改修:手すり設置・段差解消など
- 省エネ改修:窓の断熱改修など
⑤災害・生活困窮などの減免と、よくある間違い
自治体の条例により、次のような事情がある場合に減免を受けられることがあります。
- 災害・火災で家屋や土地に被害を受けた
- 生活保護を受けている、または生活が著しく困窮している
- 公益のために使われる土地・家屋である
よくある失敗は、次のようなものです。
- 申請期限を過ぎてしまう(減免は納期限前など、期限が決まっていることが多い)
- リフォームの減額を知らず、工事後の申告を忘れる
- 「自動で安くなる」と思い込み、必要な申請をしない
減免はさかのぼって受けにくいのが原則です。「当てはまるかも」と思ったら、早めに動くのが鉄則です。
⑥手続きの進め方
減免・減額を受けるための基本的な流れです。
- 毎年届く課税明細書で、いまの評価額・特例の適用状況を確認する
- 自分が対象になりそうな制度を、市区町村のサイトで調べる
- 必要書類(工事の証明書、被害状況の資料など)をそろえる
- 期限内に資産税課へ申請・申告する
制度の全体像は総務省のサイトでも確認できますが、具体的な要件・割合・期限は市区町村ごとに異なります。判断に迷う場合や金額が大きい場合は、税理士に相談すると安心です。
⑦著者の実体験
私自身、耐震・省エネ改修をしたのに固定資産税の減額申告をしていなかったお客様に、何度もお会いしてきました。工事費は払ったのに、受けられるはずの減額を取りこぼしていたわけです。また、空き家を解体して更地にした途端、住宅用地の特例が外れて土地の固定資産税が跳ね上がり驚かれるケースもよくあります。公認会計士として、リフォームや解体を考える前に「固定資産税がどう変わるか」を先に確認することを強くお勧めします。
keio-samurai(公認会計士・税理士)
⑧まとめ
固定資産税の減免のポイントを整理します。
- 安くする方法は「軽減(特例)」と「減免(申請)」の2種類
- 効果が大きいのは住宅用地の特例(最大6分の1)
- 更地にすると特例が外れて土地の税金が上がる点に注意
- 新築住宅は一定期間2分の1、耐震・省エネ改修も減額(申告が必要)
- 災害・生活困窮などの減免は期限内の申請が必須。要件は自治体で確認
固定資産税は「毎年」かかるからこそ、一度制度を確認しておく価値があります。心当たりがあれば、まずは課税明細書を手元に、市区町村の窓口で相談してみましょう。

コメント