法人税の対象となる会社の種類は?具体例で分かりやすく解説

会計

「法人税って、どんな会社にかかるの?うちも対象なの?」という疑問に、公認会計士・税理士の視点でお答えします。この記事では、法人税の対象となる法人の種類を、株式会社・NPO・町内会などの具体例を挙げながら、わかりやすく解説します。

①なぜ「どの会社が法人税の対象か」を知るべきか?

「法人」と名がつけば、すべて同じように法人税がかかる——そう思われがちですが、実際は違います。全部の所得に課税される法人もあれば、一部だけ課税される法人、まったくかからない法人まであります。

自分の団体がどれに当たるかを知らないと、「申告しなくてよかったのにしていた」「逆に申告が必要だった」といった行き違いが起きます。まずは法人税法での分類を押さえましょう。

源五郎丸
源五郎丸

会社なら、どこも同じように法人税を払うんじゃないのか?

太郎
太郎

それが違うんです。法人の種類によって、課税される範囲がまったく変わるんですよ!

②法人税の基本概念

法人税とは、法人の「所得(もうけ)」に対してかかる国税です。個人のもうけに所得税がかかるのと同じように、会社などの法人のもうけには法人税がかかります。

ポイントは、法人税法が法人を5つのグループに分けて、課税の範囲を変えていることです。「法人だから一律課税」ではなく、その法人がどのグループかで扱いが決まります。

③法人税法上の5つの分類

法人税法は、法人を大きく次の5種類に分類しています。

分類具体例課税の範囲
普通法人株式会社、合同会社、合名・合資会社すべての所得に課税
協同組合等農協、漁協、信用金庫、生協すべての所得(軽減税率)
公益法人等公益社団・財団法人、学校法人、宗教法人、NPO法人収益事業のみ課税
人格のない社団等町内会、PTA、同窓会、実行委員会収益事業のみ課税
公共法人地方公共団体、国立大学法人、日本年金機構課税されない(納税義務なし)

この表の「課税の範囲」がすべての出発点です。次から、身近な具体例で見ていきましょう。

④具体例①:株式会社・合同会社(全所得に課税)

もっとも数が多いのが、普通法人です。株式会社・合同会社(LLC)・合名会社・合資会社などが当てはまり、もうけたお金すべてに法人税がかかります。

  • 株式会社:もっとも一般的な会社。全所得に課税
  • 合同会社(LLC):株式会社と同じく法人税の対象(組合=パススルーではない)
  • 一般社団法人・一般財団法人:「非営利型」の要件を満たせば収益事業のみ課税、そうでなければ普通法人として全所得課税

会社を設立して事業を行うなら、基本的にこのグループに入ると考えておけば間違いありません。

源五郎丸
源五郎丸

合同会社も、株式会社と同じ扱いなんだな。

太郎
太郎

はい、どちらも普通法人。全部のもうけに法人税がかかりますよ!

⑤具体例②:NPO・宗教法人・町内会・自治体

収益事業のみ課税されるグループ

NPO法人・宗教法人・学校法人・公益社団/財団法人(公益法人等)や、町内会・PTA・同窓会(人格のない社団等)は、本来の活動には課税されません。ただし、物品販売や飲食、駐車場の貸付けといった「収益事業」を行った部分だけ、法人税の対象になります。

  • お寺のお布施や、NPOの会費・寄付 → 原則課税されない
  • お寺が駐車場を有料で貸す、町内会がイベントで継続的に物品販売する → 収益事業として課税の可能性

「非営利だから絶対に非課税」ではなく、収益事業に当たる部分は課税されるのがポイントです。

そもそも課税されないグループ

地方公共団体(都道府県・市区町村)や国立大学法人などの公共法人は、法人税の納税義務がありません。公共性の高さから、そもそも課税の対象外とされています。

⑥よくある間違い・注意点

  • 個人事業主は法人税の対象ではない:法人ではないので、かかるのは所得税。会社にする(法人成り)と法人税に切り替わる
  • 赤字でも「均等割」はかかる:法人税(国税)は赤字なら0でも、法人住民税の均等割(地方税)は所得に関係なく発生する
  • 外国法人:日本で得た所得(国内源泉所得)に限って課税される
  • NPO・宗教法人も申告が必要な場合がある:収益事業を行っていれば申告義務が生じる

制度の詳細は国税庁のサイトでも確認できますが、収益事業に当たるかどうかの判定は微妙なケースも多いため、迷ったら税理士に相談すると安心です。

⑦著者の実体験

私自身、「宗教法人だから税金はいっさい関係ない」と思い込んでいたお客様が、実は駐車場の貸付けで収益事業に該当し、申告が必要だった——というケースに立ち会ったことがあります。逆に、町内会の小さな会費収入まで心配されるケースもありました。大切なのは「法人の種類」と「収益事業に当たるか」の2つの軸で考えることです。公認会計士として、団体を運営する方には、活動を始める前に一度この線引きを確認することをお勧めしています。

keio-samurai(公認会計士・税理士)

⑧まとめ

法人税の対象となる会社の種類を整理します。

  • 法人税法は法人を5分類し、課税の範囲を変えている
  • 株式会社・合同会社(普通法人)=すべての所得に課税
  • NPO・宗教法人・町内会など=収益事業を行った部分だけ課税
  • 地方公共団体・国立大学法人(公共法人)=課税されない
  • 個人事業主は法人税ではなく所得税。赤字でも住民税の均等割はかかる

「法人の種類」と「収益事業かどうか」——この2つの軸を押さえれば、自分の団体が法人税の対象になるかがぐっと判断しやすくなります。心当たりがあれば、早めに確認しておきましょう。

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